Drivin' with The Devil

主に自作小説・ロック論・マンガ論などを”狭く深く”書いてます。 どうぞ気軽に楽しんでいってください。。。!! 

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(2011/02/23)
桑田佳祐

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毎度。。。!

昨日宣言した通り今日は桑田佳祐の新譜「MUSICMAN」をレビューしたい。

アルバム丸ごとのレビュー自体実に久々なので幾許か緊張しているがガンガンやっていこう。

*歌詞は聴き取り


早速。。。!!


MUSICMAN : 桑田佳祐

収録曲

1.現代人諸君!!(イマジン・オール・ザ・ピープル)

 「この星の未来には今更ラヴ&ピースはない。でも、声を潜め夢見て皆日の出を待っている」
 
 ミディアムテンポの粘りつくようなロックチューン。

 黒っぽいギターサウンドが実に心地良く響く。
 
 桑田の復活を高らかに告げるファンファーレのような趣すら感じる。

 ジョン・レノンの”イマジン”の一節を拝借して現状の日本を憂いてみせる詞の世界も強力。
 
 この人の吟遊詩人的な批評精神には脱帽する。

 怒りのベクトルをしっかりとエンターテインメントに仕上げる技は健在だ。

2.ベガ

 「さよならベガ。また逢う夜には涙に変えて僕を笑顔で抱きしめて」

 意外にも初の七夕をモチーフにしたミディアムバラード。

 AOR的アプローチなんだけどキッチリと2011年の音に創り上げているのが見事だ。

 間奏のミニムーグ(だと思う)と終盤のアコギの調べが美しい。

 桑田のボーカルはもちろん冴えている。。。! 

3.いいひと~Do you wanna be loved?~

 「にやけた妙な八方美人じゃ内も外も任されへん」

 1980年代のJ-POPを思わせる疾走感溢れるポップナンバー。

 Aメロには郷ひろみ辺りの70年代歌謡曲の雰囲気も漂っている。

 軽快なピアノと桑田のボーカルのコンビネーションが絶妙。。。♪

 しかしながら世界観は”いいひと”を揶揄した毒性の強いもの。

 ”いいひと”が誰かは聴いて確かめるべし。。。!

 すぐにわかるから。。。^-^

4.SO WHAT?

 「愛の香りに酔い、ザ・ドアーズなんぞを鼻歌交じりに…」

 俺的にはザ・ピーナッツ等の昭和30年代の歌謡曲のイイとこ取りをしたと思われる曲。

 しかし、聴き通すとどこか呪術的な要素も加わっていて一筋縄ではいかない出来なんだよね。

 爛れた男の日常と沖縄の現実をシンクロさせた詞は桑田にしか作れない独特なもの。
 
 サウンドに負けない湿った桑田のボーカルも味わい深い。

5.古の風吹く杜

 「そこに行き交う”今生きる”も”今は亡き人”も遥かな時を夢見て越えて訪れる砦」

 桑田佳祐流”鎌倉物語”

 サザンでも”古戦場で濡れん坊は昭和のHERO”という鎌倉をモチーフにした曲があったが、今回はそれをフォーク色濃いポップサウンドで表現してみせた。

 単なるご当地ソングに終わらせない侘しさが曲全体を支配している。

 そこに胸を打たれる。。。

6.恋の大泥棒

 「ダンチョネ、渡り鳥は恋なんて出来る筈のない俺さ」

 ビッグバンドジャズを彷彿させるナンバーだ。

 ギターの音色にはGS色もあるのでもしかすると1960年代のブリティッシュポップを意識しているのかも。

 アルバム全体に言えることだが、桑田のボーカルはガンだったとは思えないほど張りがあってカッコイイ。。。!

7.銀河の星屑

 「蘇れもう一度。何処かで母が呼ぶ声がする…」

 松下奈緒主演のドラマ「CONTROL~犯罪心理捜査~」の主題歌。

 全編を支配するヴァイオリンの調べが気持ち良い。

 カントリー&ウエスタン風味なサウンドだけど、ボブ・ディランの”ハリケーン”っぽいところもある。

 図らずも”生と死”が曲のモチーフになっているのだが、ヘヴィな内容をサラリと歌ってのけるのが桑田の桑田たる所以。。。!!

8.グッバイ・ワルツ

 「幸か不幸か愛した女(ひと)を忘れられずに生きています」
 
 ワルツで奏でられるシャンソン風のナンバー。

 桑田のボーカルには越路吹雪ばかりか美空ひばりまで乗り移っているような感じがする。
 
9.君にサヨナラを

 「希望を胸に生きるは僕一人のせいじゃない、君がいたからさ」

 桑田佳祐としては2007年の”ダーリン”以来実に2年ぶりのシングル。

 大塚製薬の「UL・OS」のCMソングにもなっていた。

 「ラバー・ソウル」の頃のビートルズやモータウンミュージックを思わせる懐かしいポップなサウンドに乗せて、桑田佳祐53歳(当時)の等身大の自分が歌われている。

 サウンドのポップさとペシミスティックで泣ける歌詞との対比が実に見事で、難しいメロディーラインでありながら一度聴いたら忘れることのできないフレーズが随所に転がっている。

 「見事」の一語に尽きるわ。。。!

 特にその難しいメロディーラインが良い。

 あらゆるメロディーが出尽くし、逆にメロディーのない薄っぺらい楽曲が氾濫している巷で桑田のメロディーは凛として光り輝いている。

 俺たちはもっと”良いメロディー”を大切にしないといけないのかもしれない。

 *過去記事より転載
 
10.OSAKA LADY BLUES~大阪レディ・ブルース~

 「アンタはエロいっちゅうの、ヤバイっちゅうの」

 リトル・フィートかはたまたドクター・ジョンか?

 リズムが奇妙なアメリカ南部サウンドに乗せて歌われるは大阪賛歌。

 サビで一気にたたみかけるような早口ボーカルが聴けるのが秀逸。

 間奏のプロ野球実況風のナレーションも遊び心たっぷりで面白い。。。^-^

11.EARLY IN THE MORNING~旅立ちの朝~

 「融合なき愛はただ意思なき妄想に等しい」 

 「めざましテレビ」のテーマソングとしてすっかり定着したナンバー。

 アルバム収録に当たりサブタイトルが付けられた。

 実に挑戦的なサウンドだ。

 全体を支配するデジタルなアレンジ、朝に聴くにはあまりに卑猥な歌詞、それを暈して歌う桑田のボーカル。

 全てが混然一体となって織り成される展開が実にカッコイイ。。。!
 
 流石。。。!!

 *過去記事より転載

12.傷だらけの天使

 「へこたれてんじゃねぇ!すがる相手は俺じゃなく明日のお前さ」

 いいね、歌謡曲。。。!

 タイトルの通り70年代の超名作ドラマ「傷だらけの天使」がモチーフになっている。

 やさぐれた、それでいて女々しい男の世界を描き切ったカッコイイ曲だ。

13.本当は怖い愛とロマンス

 「出会った頃と違うよ。裁くチャンスを狙い澄ましてる」

 一聴してわかるのはビートルズを下敷きにしていること。

 ”オブラ・ディ・オブラ・ダ”や”レディ・マドンナ”辺りのシンプルなロックチューンの要素が曲のそこかしこに練り込まれている。

 それでいて曲を聴き通すと50'sくらいのアメリカンポップの匂いがする。

 効果的に使われているコーラスはむしろビーチ・ボーイズ的だ。

 けれどこの曲は紛れもなくJ-Popである。

 とんでもなく極上の。

 ”ハイ、それまでヨ!!”なんて必殺のフレーズも飛び出し、散々女性に尽くしていながらこっぴどくフラレてしまう男の悲哀を”ポップ”という明るさでコーティングして歌い上げる曲構成の見事さよ。。。!

 ビートルズという得意とするモチーフにしても3分34秒という短い曲時間にしても自分のバックボーンや原点を使って新しいものを築こうとする桑田佳祐の飽くなきチャレンジ精神を感じる。

 底抜けにポップでそれでいてどこか涙腺が緩む味付けが成された名曲。。。!!

 *過去記事より転載

14.それ行けベイビー!!

 「命をありがとね、いろいろあるけどね、それなのに明日も知らぬそぶりで」

 昨年の「紅白歌合戦」で披露された曲。

 ほとんどエレキギター一本で歌われているシンプル極まりない曲。

 しかしながらボブ・ディランが憑依したかのように字余り歌詞を飛ばしまくる桑田は最高にカッコイイ。

 単純にガナっているだけじゃないんだよなぁ。

 しっかりメロディーも張り付いている。

 凡百のミュージシャンには決して作ることのできない極上の名曲。

 俺はこの曲がアルバム中で一番好きだ。

 聴く度に涙が溢れてくる…
 
15.狂った女

 「嗚呼、最強最大のライバルである己とまぐわえ」

 桑田お得意のブリティッシュロックチューンで全曲中最もハードなサウンドである。

 「ROCK AND ROLL HERO」(2002年)に入っていてもおかしくないほどのゴリゴリロックで最高にクール。。。!
 
 中盤でキング・クリムゾンの如き荒くれた展開を見せるのも凄まじい。

16.悲しみよこんにちは

 「人生は見た目通りの退屈で野暮なドラマ」

 タイトルはサガンかな?

 けど、斎藤由貴の同名異曲みたいな1980年代のアイドルポップの雰囲気もある。

 ホント、音楽的守備範囲の広い人だ。。。!

17.月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)

 「二度とあの日の僕には戻れはしないけど目を閉じりゃ煌めく季節に皆が笑ってる」

 三井住友フィナンシャルグループのCMソングとして話題になっている曲。

 ビートルズと現在の日本とを重ね合わせた詞、美しいメロディー、ジョン・レノンを意識したピアノアレンジ、桑田の感傷的なボーカル、全てが一体となって紡ぎ出される切なくも希望を感じさせるバラード。

 素晴らしいの一語に尽きる。。。



 とにかく”凄いアルバム”だと思う。

 ピンからキリまで多種多様な音が溢れかえったJ-POPシーンの中で齢55歳にならんとする男がここまで現役感覚に満ちた作品集をリリース出来ることに畏怖の念を禁じえない。

 これまで自分の中に取り込んできた”音楽”を全て出し切ったかのような集大成的作品であると同時に更なる前進を続けようとする桑田の意思も見ることができる。

 敵わないわ、誰も。

 凄過ぎる。




 だからこの言葉で〆よう。





 「桑田さん、ありがとう!」





  
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コメント

アルバム発売前のインタビューで桑田さんが『今回のアルバムは今までのアルバムの良い所取り』とおっしゃっていましたが、確かにサザン・ソロを含めて今までの音楽活動で培った物を全て出していると思います。
さらにビートルズや歌謡曲といった根底のルーツに根ざした曲もあって正に≪MUSICMAN≫の名に相応しい名盤ですね。

本当にこのアルバムを聴ける事に感謝したいですm(__)m
2011/02/25(金) 00:38:43 | URL | SKcafemaster #7sIlu4zw[ 編集 ]

きっとバラエティに富んでるんだろうなぁ。
「銀河の星屑」がお気に入りなので、ぜひ聞いてみたいッス。
2011/03/02(水) 08:52:34 | URL | 黒猫藝帝 #-[ 編集 ]

素敵なブログですね
おもしろいです
2011/03/14(月) 20:03:56 | URL | humanthe #gqobvlFw[ 編集 ]
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