Drivin' with The Devil

主に自作小説・ロック論・マンガ論などを”狭く深く”書いてます。 どうぞ気軽に楽しんでいってください。。。!! 

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 昨日NHKで放送された『ザ・ライバル「少年サンデー・少年マガジン物語」』をご覧になった方はいるだろうか。。。?

 

 1959年3月17日に同時創刊された週刊少年サンデーと週刊少年マガジンのライバル関係に力点を置きつつ「オバケのQ太郎」、「巨人の星」といった各誌の代表作が誕生したエピソードを挿入したドキュメントだった。

 

 成宮寛貴がサンデーの編集者を、伊藤淳史がマガジンの編集者を演じた再現ドラマもなかなかの出来であったが、何といってもちばてつや、川崎のぼる、藤子不二雄Aといった漫画家のインタビューに圧倒的凄味があり実に興味深く見入った次第。

 

 本題に戻ろう。

 

 今回の「手塚治虫作品論」は(偶然にも)サンデー創刊から連載され、同誌の牽引役となった作品「スリル博士」を再論する。

 

 

 では、いってみよう。。。!

 

 

●スリル博士(1959年)

 

 

 あらすじ

 「スリル医院」の面々は揃いも揃ってスリラー好き。

 そのせいか危ない目に遭うこともしばしば。

 息子のケン太を中心に今日も難事件へと挑む!

 

 

 登場人物

 ケン太:スリル医院の一人息子。

      好奇心旺盛で危ない目に遭っても難事件に立ち向かう。

      武器は巻尺状になっているムチ。

 スリル博士:スリル医院の院長。

         ケン太が事件に挑むのを冷や冷やしながら見つつも助ける。

 ジップ:ケン太の飼い犬。

      飼い主の命令には忠実でケン太の良きパートナー

 メロン:スリル医院の看護師。

     ケン太の姉のような存在。

 カボチャ:スリル博士の助手。

 

 

 「スリル博士」は1959年に週刊少年サンデーに連載された。

 

 先述したように創刊号からの掲載であり、ビッグネーム手塚治虫の最新作(当時)として同誌の看板作品であった。

 

 現在では講談社手塚治虫全集などで読むことができる。

 

 物語の骨子は”スリル博士”と呼ばれる町医者ヒゲオヤジとその息子ケン太が様々な事件に巻き込まれ(時には首を突っ込み)それを解決していくというもので、探偵色の濃いアクション作品といえる内容だ。

 

 これはSF大河ドラマを得意とする手塚にはそれまでなかった類のもので、記念すべき日本初の週刊連載少年漫画としてこの作品を捉えている手塚の並々ならぬ思いがこの作品からは窺える。

 しかしながら、週刊連載という未知の世界は手塚の技量をもってしても困難だったようで、斬新で魅力的なプロットだったにも拘わらず未消化に終わってしまったきらいがある。

 

 探偵部分とアクション部分が噛み合っていない印象を受けてしまうのだ。

 

 これはあくまで想像だが、手塚本人は探偵部分のみで物語を構築したかったのではないか?

 

 しかし、物語が上手く機能しなかったので、慌ててアクションを取り入れた感じがする。

 

 また、手塚自身が全集のあとがきで「読み切りのつもりで描いたものを編集部に長編で描くように変更させられた」ということを語っており、葛藤が伝わってくる。

 

 更に雑誌連載分から最終回を抜いて、エピソードによっては大幅に描き直しを行い、再構成して単行本化されているので、当時の最終回を全集などで読むことはできない。

 (名著「手塚治虫の奇妙な世界」でその最終回を見れる。)

 

 正直同誌連載の「0マン」や「白いパイロット」と比較すると物足りなさは否めない。

 

 とはいえ、見所も多い。

 

 昭和30年代の手塚独特の丸っこい描線は非常に感覚に訴えるものがある。

 

 どことなくホノボノとしていておまけにエロティックなのだ。

 

 今こういう絵を描く人はいないので、その意味でも逆に新鮮に読めるかもしれない。

 

 出来は今ひとつでも本人にとっては思い入れの強い作品だったようで「鉄腕アトム」にケン太と愛犬ジップが、「アトム今昔物語」にスリル博士がゲスト出演している。

 

 『ザ・ライバル~』で手塚自身の証言が聞けなかった(当然だが)のは残念だ。

 

 きっと「スリル博士」について目を細めながら雄弁に語ったろうに…

 

 

 

 

 

 さて、次回は何を取り上げようか。。。

 

 うん、「ザ・クレーター」を再論しよう。。。!!

 

 

 

 

 

 ではまた次回^^

 

 

 

 

 

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コメント

線の丸さとサスペンスとアクション。このミックスの模索がのちのち生きてくるわけですな。
苦悩な漫画家だよね。手塚って・・・。
2009/05/07(木) 09:05:46 | URL | 黒猫藝帝 #79D/WHSg[ 編集 ]

ゲーテ<よく言われてることだけど、最後まで第一線にこだわったところに手塚の
      意地というか作家性を見るよなぁ。。。 
2009/05/08(金) 00:34:31 | URL | drivemycar #79D/WHSg[ 編集 ]
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