Drivin' with The Devil

主に自作小説・ロック論・マンガ論などを”狭く深く”書いてます。 どうぞ気軽に楽しんでいってください。。。!! 

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 毎度。。。!

 

 さぁて、今回から本格的な「鉄腕アトム」論だ。。。!

 

 まずは「アトム」本編とは全く別な内容であるが、プロトタイプの役割を(世間的には)担った「アトム大使」から。

 

 

 早速いってみようか。。。!!

 

 

●アトム大使(1951年~1952年)

 

 あらすじ

 

 今私たちが住んでいる地球とは別の地球が宇宙には存在していた。

 そして、別の地球にも私たちと同じような人間がいて文明生活を営んでいた。

 ところが別の地球は大爆発を起こしてしまい、星を失ったもう一つの地球人たちは新たな母星を探すべくロケットで宇宙を放浪する。

 長い流浪の末に見つけた星は私たちが住んでいる地球だった。

 顔形もほとんど同じの人間が二人存在する奇妙な状況。

 最初は友好的な関係を築いていたが、飢餓を心配する移民反対論者たちは別の地球人を排斥せんと強硬手段に打って出てしまう…

 

 

 登場人物

 

 過去記事:http://myhome.cururu.jp/drivemycar1965/blog/article/41002912018参照。

 ただし、アトムの家族(ロボット)、中村警部、田鷲警部は登場しない。

 また、天馬博士とアトムを除く全員に”もう一人の自分”すなわち別の地球人が存在する。

 

 

 「アトム大使」は1951年から1952年まで月刊誌である少年に連載された。

 

 「鉄腕アトム」とは別の作品であるが、登場人物が被っていることとインターバルを置かずに「アトム」が連載開始されたことで現在は「アトム」の序章的な位置付けとなっている。

 

 それ故講談社手塚治虫全集の「アトム」第1巻に収められている。

 

 さて、この作品だが個人的にはなかなかの曲者だと思っている。

 

 何せアトムが主役じゃないのだから。。。!

 

 何故「アトム大使」なのかはネタばれしてしまうのでここでは書かないが、物語の主役は「別の地球人」であり、別の地球人と地球人(書いててややこしいぞ。。。!)の争いを描こうとしたSF大河ドラマである。

 

 余談だが異なる地球人の争いを描いたドラマといえば鬼才富野由悠季が作ったアニメ「伝説巨神イデオン」(1980年)が有名であるが、もしかしたら虫プロ出身の富野は「アトム大使」にインスピレーションを受けて「イデオン」を作ったのかもしれない。

 

 アトムが主役じゃないのにタイトルの冠をいただいていることに端を発した”わかりにくさ”がこの作品の評価を難しいものにしていると思う。

 

 何のことはない、この物語においてアトムは”邪魔”なのだ。

 (アトムが天馬博士の息子飛雄の身代わりという設定が既にあったにも拘わらずだ)

 

 ストレートな異なる地球人の争いドラマにすればもっと話が弾んだと思うし、もしかしら別の意味で手塚の代表作になったかもしれない。

 

 あるいは「イデオン」のように地球に住む主導権争いの中で高性能ロボットアトムを巡る攻防戦というカテゴリーがあればアトムが話の核になり、わかりやすい話になったことは確実。

 

 しかし、幸か不幸か「アトム大使」は人気が出なかったという。

 (その理由は書いておいた)

 

 ここで手塚は少年の編集部に軌道修正を命じられたらしい。

 

 すなわち「アトムを主役にした物語に変えてくれ」と。

 

 苦渋の選択だったことは想像に難くないが、手塚はこれに応じ1952年から「鉄腕アトム」を連載する。

 

 これが当たった。

 

 「アトム」は実に18年間連載され横山光輝の「鉄人28号」と並んで少年の看板作品となった。

 

 しかも特撮化、アニメ化までされ手塚の代表作的扱いを受けるようになる。

 

 多くの方がこの点について書いているが、手塚にとってアトムは鬼子だったのだと思う。

 

 自分の予期せぬ所で代表作となってしまったのだから。。。

 

 従って世間的には成功作とはいえない「アトム大使」にこそ手塚本来の意図するものが出ていたと推察することもできる。

 

 それならば「アトム」に収録されたことにも納得がいく。

 

 手塚は比較してほしかったのだ。

 

 「アトム大使」の方が「アトム」より自己評価していることを交えて。

 

 今の視点で読むからこそであるが、実に奇妙な漫画だと思う。

 

 けれども、ここには紛れもない手塚治虫の作家性が詰まっている。

 

 是非ご一読して、その魅力に触れていただきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 次は昭和20年代の「鉄腕アトム」を語ろうか。。。

 

 

 ではまた次回^^

 

 

 

 

 

 

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コメント

鉄腕アトムよりもこっちの方が気になるのはなぜでしょう(´;ェ;)
2009/12/24(木) 12:36:39 | URL | Bear Pooh #79D/WHSg[ 編集 ]

ベアーさん<「アトム」はメジャー過ぎるからでは。。。?
2009/12/24(木) 23:42:43 | URL | drivemycar #79D/WHSg[ 編集 ]

なんで「大使」なのか・・・w
2009/12/25(金) 01:38:14 | URL | 黒猫藝帝 #79D/WHSg[ 編集 ]

この辺の経緯については、手塚治虫論であると同時に、作家一般に関する話としてもとても興味深いです。意図しない方向へ向かうケース、結構あるんですよね。
2009/12/25(金) 20:27:16 | URL | Mark Cottonfield #79D/WHSg[ 編集 ]

Markさん<本当ですね。
       予期せぬ作品が代表作になったりするんですよね。
2009/12/25(金) 23:11:11 | URL | drivemycar #79D/WHSg[ 編集 ]

ゲーテ<遅レス失礼。。。^-^;
      言葉本来の意味での”大使”です。 
2009/12/27(日) 20:57:09 | URL | drivemycar #79D/WHSg[ 編集 ]
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