Drivin' with The Devil

主に自作小説・ロック論・マンガ論などを”狭く深く”書いてます。 どうぞ気軽に楽しんでいってください。。。!! 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 毎度。。。!

 

 CURURUでの「手塚治虫作品論」も今回を入れてあと2回となった。

 

 ラス2はマイナーなシリーズを取り上げてみよう。

 

 その名も「新聊斎志異(しんりょうさいしい)シリーズ」。。。!

 

 

 では早速。。。!  

 

 

●新聊斎志異 女郎蜘蛛(1971年)

 

 あらすじ

 戦時中の日本が舞台。

 将来を嘱望された二人の青年画家がいた。

 間島(まじま)は優しさに満ちた絵を描き、蛇が苦手。

 丸橋(まるはし)は要領の良い男で蜘蛛が苦手と好対照だった。

 ふたりは師である住職の娘、由紀(ゆき)を好きという恋のライバルでもあった。

 戦争が激化の一途を辿ると丸橋は政府の依頼を受け士気を高めるポスターなどを描き始める。

 間島は自分の気の進まないもの決して描こうとせず、政府に睨まれていた。

 そんな中、間島と由紀が仲を深めていることを知った丸橋は特高に彼を売り、由紀を手籠めにせんとするが…

 

 戦時中の不条理に満ちた世の中で、自分を貫こうとする若者と社会に迎合する若者を好対照に描き、尚且つホラーに仕立てた短編。

 嫉妬に駆られた丸橋が間島を特高に売り、捕まった間島が拷問を受ける描写が凄い。

 手塚の柔らかい描線でもそう感じるのだ。

 蜘蛛が効果的に使われており(ある意味主役!)、物語のホラー性を一気に高めることに成功している。

 「MW」よりもこういう作品を実写化したら面白いのにと思わせる、読むとゾッとする傑作だ。

 

 

●新聊斎志異 お常(1971年)

 

 あらすじ

 F大学の農事研究所では外国からの依頼で極秘に猛毒化学兵器の研究が行われていた。

 そこで実験動物の世話をしている孤児で知恵遅れの少年ヒデは動物園から売られてきた狐の面倒を見る。

 狐は最初ヒデに敵意を見せるが、命を助けられてからはヒデになつくようになる。

 それ以来、夜毎に研究所に若い女がヒデのもとに現れる。

 そしてヒデには研究所の魔の手が伸びようとしていた…

 

 「女郎蜘蛛」以上のホラー。

 俺自身沢山の手塚作品を読んできたが心底怖い”一枚絵”はこの作品のみ。

 まるで手塚に楳図かずおが宿ったかのような迫力の一枚絵&どんでん返しが楽しめる。

 ヒデのキャラクター設定は現在ではまず無理だろう。

 騙されたと思って読んでみ。。。!

 ホント怖いから。。。

 

 

●新聊斎志異 叩建異譚(1987年)

 

 あらすじ

 古代の中国が舞台。

 現在の山東省に位置する土地に叩建(こうけん)という若者がいた。

 彼は戦争で前線に送り込まれ、生き延びたことで恐怖に対する感情が麻痺してしまっていた。

 ある日、一人旅を続ける叩建の前に胡玉(こぎょく)と名乗る美しい娘が現れる…

 

 「お常」から実に16年経って発表された「新聊斎志異シリーズ」最終作。

 手塚晩年の少年漫画とあって描線が荒いのが難点。

 しかし、徹底したグロテスク描写や化け物描写が楽しめる。

 手塚本人もノッて描いているのが丸わかり。

 彼のグロテスク志向を探るのにピッタリな逸品だ。

 

 

 「新聊斎志異シリーズ」は「女郎蜘蛛」と「お常」が1971年に週刊少年キングに、「叩建異譚」が1987年にコミックバーガーに掲載された。

 

 現在はどれも講談社手塚治虫全集などで読むことができる。(キング掲載分は「タイガーブックス」4巻に、「叩建異譚」は「グリンゴ」3巻に収録されている)

 

 ”新聊斎志異”というタイトルが面白いが、これは清時代の「聊斎志異」(蒲松齢著)という短編怪談がモチーフとなっている。

 

 俺自身「聊斎志異」は未読なので詳しい説明はできないが、世界的に有名な怪異譚であることは知っている。

 

 手塚は「聊斎志異」のポップでグロテスクな世界観が大好きであると「女郎蜘蛛」の冒頭で語っている。

 

 故にシリーズものとして継続して描きたかったモチーフであることは間違いない(16年経って「叩建異譚」が発表されたことからもそれがわかる)のだが、読者の評判を得られなかったのかキング版はわずか2作しか発表されなかった。

 

 今読むとどれも一級品のホラーに仕上がっているのが見事。

 

 シチュエーションドラマとして恐怖を描いた「女郎蜘蛛」、ラスト一枚の絵で恐怖を演出してみせた「お常」、ホラー色を薄め、グロテスク描写に徹した「叩建異譚」と構成が全く被っていないのも素晴らしい。

 

 これぞ”隠れた傑作”。。。!

 

 是非ご一読を。

 

 

 
これは「お常」のトビラ絵。(「手塚治虫 原画の魅力」より)
 
そこはかとないエロティシズムが漂っている。
 
そしてこういうエロスを表現できる漫画家は今はいない。
 
 
 
 
 さて、次はCURURUラストだ。。。!
 
 何を語ろうかな。。。
 
 
 ようし、意識して避けてきた「鉄腕アトム」だ。。。!
 
 データベースを作って、以降は引っ越し先へ引き継ぎたい。
 
 
 ではまた次回^^
 
 
 

スポンサーサイト
コメント

いよいよアトム登場ですかっ! 楽しみにしてますね~♪
なんだか、クルル最後って言う響きが悲しいなぁ・・・ (ノД`)シクシク
2009/10/27(火) 01:10:27 | URL | sabaraja #79D/WHSg[ 編集 ]

さばちゃん<「アトム」はどこから手をつければいいか難しいけど頑張ります。。。!
2009/10/27(火) 19:14:18 | URL | drivemycar #79D/WHSg[ 編集 ]

この短編シリーズ好きです。社会派手塚志向者としては。
アトム、とりあえず「史上最大のロボット」は入れておいてww
2009/10/28(水) 09:25:36 | URL | 黒猫藝帝 #79D/WHSg[ 編集 ]

ゲーテ<これ映画化するのってありだと思わね。。。?
2009/10/28(水) 22:35:18 | URL | drivemycar #79D/WHSg[ 編集 ]
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。