Drivin' with The Devil

主に自作小説・ロック論・マンガ論などを”狭く深く”書いてます。 どうぞ気軽に楽しんでいってください。。。!! 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「久しぶりねジョウジ…」
「何だと!?」
 懐かしい呼び名が懐かしい声によって聞こえてきた。
 クローゼットの中にいたのは死んだはずの楡井ミウだった。

 

 

「生きていたとはな…」
 驚きを隠さずにシゲル、いやジョウジが沈黙を破った。

 


「棺桶の中から甦ったわ。」
 薄い笑みを湛えてミウが返す。

 

 五年という歳月は人を変えるのに十分だ。
 かつての快活さや明るさが消え失せていた。
 それでもミウの美しさだけは変わっていなかった。
 大人びたことでより美しさが際立っていた。

 

「よく俺がジョウジだとわかったな。」
 あっさりと正体を認めるジョウジ。
 その獣のような表情の奥底に幾許か人間らしさが少し覗いている。

 

「愛した男のことくらいわかるわ。顔形の違いなんか問題じゃない。」
 ミウの右手には手製の銛のようなものが握られている。
 これでジョウジを狙ったのだ。

 

「五年間ずっと私は貴方を見つけて殺すためにだけ生きてきたのよ。」
「復讐のためかい?自分と親を蹂躙した俺への…」
「それもあるわ。けど、一番の理由はそこじゃない。」
「ほう?」

 

「貴方を生かしておくわけにはいかないの!貴方はもう人間じゃないから。あの旅行で何が貴方の身に起きたのか今でもわからないし、知りたいとも思わない。けど…」
「けど!?」

 

「貴方が暗躍し続けることで人が不幸になる。これ以上私のような人を増やしたくないのよ!」
「相変わらず優しいというか、ヒューマニストなんだな」
「貴方も相変わらず鬼畜ね。」
 二人のやり取りには棘もあったが、どこか再会を喜んでいるような、会話を楽しんでいる様子も見受けられた。

 

 

「なぁ…」
 男が落ち着いた口調で話しかける。
「ん…?」
 男を正面に見据えていた女が応える。


 

「俺たちってさ、こうなる運命だったのかなぁ?」
「うーん、わからないわ。でも、今ここにこうして二人でいるってことはもしかしたらそうなんじゃないかしら。」


「そうか、やっぱり運命だったんだ。」
「こういう話、前にもしなかった?」
「覚えてないなぁ…」
「したわ、確かベッドの上だった。」
「よくそんなこと覚えてるな。」
「”デ・ジャ・ヴ”ってことよ。」
「なるほど、ちょっと意味が違うような気もするけど、考えてみれば”デ・ジャ・ヴ”かもな。」
「私たちがまたどこかで逢うことがあれば今日みたいに話すと思うわよ、きっと!」
「そうかもしれない。どこか、別の世界で君と逢ったとしても…」

 

 

 こうした会話がおよそ似つかわしくない状況下でミウとジョウジは話し続けた。

 


(この時間がもっと長く続けば良いのに…)
 二人は偶然にも極限の状況下でそんなことを考えていた。

 

 だが、物事には必ず終わりが訪れるものだ。

 

 

 

 

~つづく~

 

 

*この物語はフィクションです。

 

 

Copyright (C) 2009 by drivemycar All Rights Reserved

 

 

 

スポンサーサイト
コメント

おっ! 最初に戻った? 序章が終わったって感じですね~!
ココからが、本編か。。。 どうなっていくんやろ~??? ♪((O(*'(ェ)'*)O))♪ワクワク
2009/09/20(日) 01:42:33 | URL | sabaraja #79D/WHSg[ 編集 ]

ん!!!!!
これはちょっと!!!!今後が面白くなりそうな!!!
2009/09/20(日) 02:28:11 | URL | Bear Pooh #79D/WHSg[ 編集 ]

つづきは(*´・ω・`*)ドキドキ
2009/09/20(日) 07:36:42 | URL | あ~たん☆☆ #79D/WHSg[ 編集 ]
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。