Drivin' with The Devil

主に自作小説・ロック論・マンガ論などを”狭く深く”書いてます。 どうぞ気軽に楽しんでいってください。。。!! 

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「なぁ…」
 男が落ち着いた口調で話しかける。
「ん…?」
 男を正面に見据えていた女が応える。

 

「俺たちってさ、こうなる運命だったのかなぁ?」
「うーん、わからないわ。でも、今ここにこうして二人でいるってことはもしかしたらそうなんじゃないかしら。」

「そうか、やっぱり運命だったんだ。」
「こういう話、前にもしなかった?」
「覚えてないなぁ…」
「したわ、確かベッドの上だった。」
「よくそんなこと覚えてるな。」
「”デ・ジャ・ヴ”ってことよ。」
「なるほど、ちょっと意味が違うような気もするけど、考えてみれば”デ・ジャ・ヴ”かもな。」
「私たちがまたどこかで逢うことがあれば今日みたいに話すと思うわよ、きっと!」
「そうかもしれない。どこか、別の世界で君と逢ったとしても…」


 こうした会話がおよそ似つかわしくない状況下で男と女は話し続けた。

 

(この時間がもっと長く続けば良いのに…)
 二人は偶然にも極限の状況下でそんなことを考えていた。

 

それより五年前のこと。

「ねぇ…」
 男の腕枕の中で横たわっていた女が不意に話しかけた。
「どうした?」

「私たちってこうなる運命だったのかしら?」
 男の方を向いて男の露になった胸の辺りを指で弄びながら女が訊いてくる。
「うーん。」
 男は女の愛撫に軽く身を捩じらせつつ考えた。

 

「わからないよ、けど…」
「けど?」
「今俺たちがここにこうしているってことはもしかしたら運命の一部なのかも知れないよな。」
「ウフフフ」
 女が笑みを浮かべる。

 

「どうしたんだ?俺何か変なこと言ったか?」
「変じゃないわ。変じゃないけど、ただ…」
「ただ?」
「難しいこと言うから何だか可笑しくなっちゃったのよ!」
「何か馬鹿にされたみたいでイヤだなぁ。」
「あっ、ゴメン!そんなつもりで言ったんじゃ…」

 男の表情が曇ったのを察知した女は品を作って男の胸に顔を埋めた。

「わかってるよ、俺も冗談で言った!」
「もう!」
「アハハハ!」

 

『バサッ!』
 男は二人の身体を覆っていた毛布を乱暴に払いのけ女の身体を抱きしめた。
「あぁっ…」
 女は男に身を委ね、歓喜の声を上げ、息を荒げ出した。

(このまま時が止まってしまえば良いのに)
 男も女も同じことを思っていた。
 

 この時点での二人はとても幸せであった…

 

 同じく五年前のこと。

 

「ジョウジ!ジョウジったら!早く起きないと遅刻するわよ!」
 楡井(にれい)ミウは身支度をしながら横で寝息を立てている恋人の楠木(くすのき)ジョウジに声をかけた。
「ウーン…」
 ジョウジは何とか眼を覚ましたようだが、ベッドの上で細かく呻いていた。

 

「もうっ、今日のゴミ出しはジョウジの番なのに知らないからね!」
 一足も二足も先に準備をしていたミウは既に着替えを終え、化粧の終盤に入っていた。
「ウーン…粗大ゴミは今度の土曜日のはずだろ!?」
 かったるそうな調子で応えるジョウジ。
「違うったら!今日の燃えるゴミのこと!」
 的外れなジョウジの言葉にミウの声も普段の優しい口調とは違い、自然と荒くなる。

「そうかぁ…今日は燃えるゴミの日だったんだっけ…って…!」
『ガバッ!』 
 ようやく状況を察したジョウジが一気に飛び起きた。

「えぇっ?もう八時になっちまうじゃん!どうして起こしてくれなかったんだよ?」
「何回も起こしたわよ、寝ぼすけさん。」
 ミウはさっきまでの荒さを意識的に押し込め、努めて冷静に言った。
 その落ち着きが逆にジョウジの胸に響いたようだ。

 

「ゴメンな。」
「うん、平気。それより急がないとホントに遅刻しちゃうよ。ゴミは私が出しておくからジョウジは早く準備して。」
「あ、ありがとう」
「先に行ってるわね。」
 そう言うとミウは左手にバッグを持ち、玄関先に手早く用意していた燃えるゴミの袋を右に抱えドアを開けようとした。

 

「ミウ。」
「何?」
「今日はゴメン。明日は一緒に行こうな。」
 ジョウジの心からの謝罪を感じたミウは優しく微笑み、
「うん!行ってきます!」
 静かにドアを閉めて出て行った。

 

「さてと。」
 ミウが完全に外へ出たことを確認してからジョウジは慌てて身支度を始めた。

 

 

 

~つづく~

 

 

*この物語はフィクションです。

 

 

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コメント

いよいよ始まりましたね!
まだ序章だから、この先どうなっていくのか、ワクワクです♪
2009/08/27(木) 01:37:42 | URL | sabaraja #79D/WHSg[ 編集 ]

新しい小説の掲載ですね!
恋のお話?ミステリー?
実はホラーだったり?続きを楽しみにしています。
2009/08/29(土) 21:47:49 | URL | nami丸 #79D/WHSg[ 編集 ]

うわ!!!これ楽しみです!!!
面白い設定だね(*´ェ`*)
2009/08/31(月) 10:26:00 | URL | Bear Pooh #79D/WHSg[ 編集 ]
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