Drivin' with The Devil

主に自作小説・ロック論・マンガ論などを”狭く深く”書いてます。 どうぞ気軽に楽しんでいってください。。。!! 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
昨日の神保町探索から一夜明けて。。。

COMとガロをじっくり読んだ。

俺は古本(漫画専門)が好きで一時期結構集めたりしたのだが、新書版がメインで雑誌はあまり買わなかった。

自分で買ったのは1972年の週刊少年サンデー(手塚治虫の悪名高き「サンダーマスク」の第一回目が載ってる)と1973年の週刊少年マガジンくらい。

他には以前盟友黒猫藝帝さんからお土産でCOMを2冊いただいた程度だ。

ちょっと話が逸れたが、COMとガロを同時に読むと当時の漫画界がどんなものだったかある程度掴めてくる。

COMは漫画の神様(俺はこの呼称が好きではない)手塚治虫が漫画そのもののレベルを上げるべく作った雑誌で、ガロは白土三平、水木しげる、つげ義春といった貸本漫画家を表舞台に出すべく青林堂社長の故・長井勝一が作った雑誌だ。

いわばオーバーグラウンドとアンダーグラウンドの対比である。

しかしながら興味深いのは創刊はガロの方が早いこと。

つまり、漫画界のメインストリームにいた手塚はガロ系の漫画家や劇画家たちに対抗意識を燃やしてCOMを作ったと想像できる。

こうして二誌が並び立つ状況が続いたが当時の読者はCOMよりもガロを支持したようだ。

洗練された手塚系の漫画よりも泥臭く、土着的でそれでいてモダンさも併せ持った水木や白土の漫画に魅力を感じたのだろう。

既に権威となっていた手塚に対するアンチテーゼの面もあったのだと思う。

だが、手塚はCOMこそ休刊させ虫プロも倒産させてしまったが貪欲に劇画を自己の中に取り込んでいったことでついに漫画家としては最期まで現役であり続けた。

手塚も水木も白土もつげも皆凄い。。。!!

そんなことをCOMとガロは思い起こさせてくれるのだ。



201101302254000.jpg


こちらはCOMの「まんが家論」

手塚直系の弟子石森章太郎(当時)が結構というかかなりボロクソに批評されている。

その論調には頷ける所もあるが、大分的外れな所も多いように思える。


201101302255000.jpg


一方、こちらはガロに連載されていた「鬼太郎夜話」

何故ここを載せたかというと水木プロのアシスタント募集の告知があったから。。。!

極貧時代をくぐり抜けて躍進している時代の水木のエネルギーとユーモア溢れる人となりがこの告知文を読んでもわかる。

まさに一級の資料である。


201101302256000.jpg


おっと、これは何だ。。。??

楳図かずおだってことはわかるが。。。


201101302257000.jpg


実はパンツ。。。!

頂き物なんだ。。。^-^;




ではまた次回^^







スポンサーサイト

201008232309000.jpg


「水木しげる米寿記念 ゲゲゲ展」を観てから水木作品を読み返している。

もっとも俺が持っているのは写真に載せた「ゲゲゲの鬼太郎」の復刻版KCと貸本版「悪魔くん」と少年マガジン版「悪魔くん」くらいでとてもファンとは胸を張って言えない状態なんだよね。。。^-^;

「河童の三平」や「総員玉砕せよ!」とか買ってちゃんと読みたいなぁ。。。

「ゲゲゲ展」で生の原画を観て、そして家で「鬼太郎」読み返して思ったんだけど水木作品の魅力は大きく二つあると思う。

ひとつは言うまでもなく絵、もっと言うと描線の魅力。

一見和風なんだけどじっくり見るとダリにも通じる西洋的なポップさやモダンさが水木作品には溢れている。

もうひとつは台詞回し。

なかなか論じられることがないんだけども水木の言語感覚って相当なもの。

個人的には楳図かずおに匹敵するくらいの狂気と不条理さを感じるんだ。



その辺を突き詰めて一度水木作品論をやりたいなと思っている。






ではまた次回^^


毎度。。。!

今回は久々の漫画論。

先だって入手した楳図かずおの「ウルトラマン」を取り上げたい。

サンコミックス版に則って語っていくとしよう。

なお、現在楳図版「ウルトラマン」は絶版状態であり、どうしても入手したい方は古本屋を探すかネットオークションで探していただきたい。

マニアの多い漫画家の絶版作品なのでプレミアは覚悟されたし。


では、いってみよう。。。!


楳図版「ウルトラマン」は1966年から1967年まで週刊少年マガジンと別冊少年マガジンに連載された。

サンコミックス版第1巻には「バルタン星人」、「怪獣ヒドラ」、「怪獣ガヴァドン」が収められている。

それぞれ原作であるテレビ版だと第2話「侵略者を撃て」、第20話「恐怖のルート87」、第15話「恐怖の宇宙線」に相当する。

コミカライズ作品の常であるが、基本的には原作の世界観を踏襲した上で楳図がさらにそれを膨らませた作品作りが成されている。

ただし、楳図本人も語っていたことであるけどシナリオとスチール写真しか素材が与えられずに描かざるを得ない状況も多かったようで、原作を大きく逸脱したエピソードも存在する。

何より恐怖漫画家として既に認知されていた楳図が描いたことにより「ウルトラマン」の闇の部分ともいえるウルトラマンや怪獣・宇宙人の恐怖性(フリーキーさと言い換えても良い)がより強調されたことは特筆に値する。

数多いウルトラシリーズのコミカライズの中でも楳図ヴァージョンが飛び抜けて異端であると共に原点の要素も持ち合わせている傑作だと個人的には思う。


002_convert_20100425203627.jpg

1巻は赤色の表紙。

無駄のないシンプルな良ジャケット(あえてこう表記)。。。!



さて、「バルタン星人」の巻である。

あらすじ
岩手県のある地方で赤色の雨が降り続いた。
科学特捜隊は雨の調査に向かうが研究員の神山の様子がおかしくなって戻ってきた。
彼は赤い雨の中にバクテリアの大きさで潜んでいたバルタン星人に身体を乗っ取られてしまったのだ。
地球侵略を開始したバルタン星人にウルトラマンが敢然と立ち向かう。



一番原作と差異が激しいエピソード。

まずは楳図版ウルトラマンの雄姿をご覧あれ。。。!


006_convert_20100425203704.jpg


どうよ、このカッコ悪さの中に隠れた底知れないカッコ良さ。。。!!

もともとウルトラマンは口が動く設定であったことは知られているが、楳図版にもその名残りがある。

あと、楳図自身も意識していたようだが、非常に物質的というか金属的にウルトラマンが描かれていて、次に紹介する宇宙人・怪獣が肉感的に描かれたこととの対比も鮮やかだ。


004_convert_20100425203829.jpg


読者(特に子供)にとっては悪夢としか言い様のない”ガソリンを飲んで巨大化したバルタン星人”(爆)

実に気持ち悪く、夢に出てきそうだ。。。

余談だが俺がブログで多用する「フハハハハハハハハ。。。!!」の元ネタはこれ。。。^-^;


フハハハハハハハハ。。。!!


003_convert_20100425203800.jpg


読者(特に子供)にとっては悪夢としか言い様のない”羽のあるバルタン星人”(爆)

ハサミに牙が生えているのも楳図らしい間違った解釈。。。^-^;

原作に似てるんだけど怖いんだよねぇ、何でだろ。。。??


005_convert_20100425203925.jpg


読者(特に子供)にとっては悪夢としか言い様のない”バルタン星人のUFO”(爆)

まんま「漂流教室」(1972年~1974年)に出てきてもおかしくない造形。


他にもバルタン星人が入った水を飲んだマンションの住人たちがバルタン星人に変身するくだりや科学センターに出没する大量のバルタン星人など原作との違いは多く、そしてそこでの描写は実に怖い。

ただ、あまりにも怖過ぎると思ったか楳図はイデ隊員を原作以上のコメディリリーフにすることでSF娯楽作品としてのバランスを保っている。


さて、次は「怪獣ヒドラ」だ。

あらすじ
轢き逃げに遭った少年アキラが描いた高原龍ヒドラ。
アキラは亡くなってしまうが、ヒドラは交通事故から子供たちを守るシンボルとして巨大な石像が作られた。
ある日、ヒドラの前で少女が轢き逃げに遭う。
すると石像であるはずのヒドラに生命が宿り、轢き逃げ犯を追い求め暴走する。



007_convert_20100425204000.jpg


短編だったこともあり、細部は違うがほぼ原作通りに描かれたエピソード。

楳図はこのエピソードがお気に入りだったようで後に「高校生記者シリーズ」(1966年~1970年「恐怖」に改題)にて”コンドラの童話”というリメイク(オマージュか)作品を描いている。


ラストは「怪獣ガヴァドン」

あらすじ
落書きの好きな少年むしばが描いた怪獣ガヴァドンが謎の宇宙線を浴び、実体化・巨大化して暴れ回る。



009_convert_20100425204046.jpg


こちらも短編なのでほぼ原作に忠実な内容であるが、原作で強調されたガヴァドンと子供たちの友情(そのせいでウルトラマンが子供たちに罵倒すらされてしまう)が描かれてないのでどこかサラリとした印象を受けてしまう。

後に短編「怪獣ギョー」(1971年)でこの辺りを掘り下げているのが興味深い。

しかし、この擬音の素晴らしさよ。。。!

他にも結構あって楳図「ウルトラマン」の隠れた見所。。。^-^;


「ガバッ」

「ドン」

フハハハハハハハハ。。。!!




今回はここまで。

すぐに第2巻を取り上げたい。



ではまた次回^^


毎度。。。!!

CURURUの最後の方でチラッと書いたんだけど、かねてから欲しかった楳図かずおの「ウルトラマン」をサンコミックスヴァージョンでついにGETした。

某オークションで即決価格で落札。

いくらで落札したかは言えないけど、個人的には妥協できるプレミア価格だった。


何はともあれまずは表紙をご覧あれ。。。!

     

004_convert_20100401232019.jpg


どうよ、この雰囲気のある表紙。。。!!


”不滅のヒーロー、ここに甦る!”(1巻)

”颯爽、華麗の変身ロマン!”(2巻)

”読者の期待に燃えるヒーロー!”(3巻)



キャッチコピーが付いた表紙なんてなかなかないよ。


けどね、この作品って実は。。。


実際の内容とキャッチコピーが少しも合ってねぇんだよっ。。。!


フハハハハハハハハハハハハハ。。。!!


円谷プロと楳図の幸福な出会い。

この稀代の大怪作・名(迷)作を取り上げるのは「悪魔とドライヴ」にとって実に相応しいと思う。


早いうちにじっくりレビューしたいと思っているので乞うご期待。。。!!




ではまた次回^^



ブログ移転先 → http://drivemycar1965.blog76.fc2.com/

 

 

 

 

 

 

 

それは楳図かずおの「ウルトラマン」

 

 

 
 
これは1998年に講談社から出版された”P-KCシリーズ”ヴァージョン。
 
残念ながら「怪すい星ツイフォン」の1話しか収録されていない。
 
大学時代に”SUN SPECIAL COMICS”(1冊に全話収録されているお得なヴァージョン)で持っていたのだが、
部室に置いてたら借りパクされちまった。。。^-^;(号泣)
 
以来無性に読みたくなる時がままあるのだが、今手元にはこの1冊しかない。。。
 
たまぁに古本屋やネットオークションでサンコミックスヴァージョン(全3巻)を見かけるが1冊2,000円前後と
暴力的なプレミアが付いているのでなかなか手が出せないでいる。
 
うーん、ないと思うとマジ読みてぇっ。。。!!
 
オークションで探してみようかな。。。
 
 
 
 

 
 
ウルトラマンさんとレッドキングさん。。。(爆)
 
鬼才楳図の手にかかるとどことなく怖い。。。^-^;;;
 
 
 
あーっ、読みたい。。。!!
 
 
苛立ちを持ったまま今日はここまで。。。^-^;
 
 
 
 
ではまた次回^^

 

 

 

 

 

 おおっ、何ということだろう。。。

 

 

 2ヶ月間も「手塚治虫作品論」をすっぽかしてしまった。。。!!(泣)

 

 

 マジ反省。。。

 

 。。。というわけで今回は「鉄腕アトム」論の第3回で昭和20年代のアトムを語ってみよう。

 

 なお、サブタイトルなどは講談社手塚治虫全集に準じて語っていく。

 

 

 よろんすく。。。!! 

 

 

●気体人間の巻(1952年)

 

 あらすじ

 アトムのクラスメートのタマちゃんが突然暴力的になったり物を盗むようになる。

 異常を察したケン一はお茶の水博士のもとへ彼を連れてくる。

 すると煙のようなものがタマちゃんから離れていく。

 博士は煙の謎をつきとめるためにアトムに煙に憑かれるよう指示する。

 

 全集1巻収録。

 「アトム大使」を外伝とするなら記念すべきファーストエピソードである。

 気体人間をモチーフにしたSFドラマとそれに立ち向かう”人間ならざる者”アトムが人間社会の中で苦悩する様が早くも描かれており、作品の方向を決定付けたエピソードといえよう。

 

 

●フランケンシュタインの巻(1952~1953年) 

 

 あらすじ

 フランケンシュタインというロボットが逃げ出した。

 彼は悪の一味に拾われて悪事を働いてしまう。

 アトムは悪の一味と闘うが、人間に手を出せないロボット故に苦渋を味わう。

 

 全集1巻収録。

 フランケンの生い立ちに人間の身勝手さが表れていて実に奥深い。

 それにクラスメートのガキ大将四部垣がロボット嫌いのキーパーソンとして登場していて、ドラマをさらに奥深くしている。

 また、アトムがハイヒールを履いたり、ブーツを履いたりしていて「アトムは女の子のつもりで描いた」という手塚の証言を裏付けている。

 

 

●赤いネコの巻(1958年)

 

 あらすじ

 ヒゲオヤジは十三番地にある古い空き家を訪れた。

 そこには”赤いネコ”に呼ばれた5人の子供がいた。

 ヒゲオヤジとアトムは何か大きな事件へ発展するかもと考え、子供の一人が赤いネコを見たというショウギ山へと向かう。

 

 全集第1巻収録。

 内容もさることながら近未来の東京(高層ビル群、高速道路など)を既に描いている手塚に畏怖の念を禁じ得ない。。。!

 また、子供の流行りものであったメンコなどを出すことで近未来と当時のバランスを上手に取っているところも天才の仕事としか言い様がない。

 手塚は猫があまり好きではなかったようで悪役として描くことが多い。(他に「緑の猫」、「シャミー1000」などで猫が悪役である。)

 

 

●海蛇島の巻(1958年)

 

 あらすじ

 アトム、ケン一、タマちゃん、四部垣たちは海へ遊びに来ていた。

 海の底に潜ったアトムは大量の空き瓶を発見する。

 瓶の中には助けを求める手紙が入っていた。

 手がかりは”ポチョムポチョム島”という単語のみ。

 アトムは島を探すべく両親に無断で深夜外出の日々を過ごすが…

 

 全集第2巻収録で原題は「アトム赤道を行く」

 「アトム」初期の傑作エピソードとして非常に人気が高い。

 その理由はこれが純然たる冒険活劇であることもそうだが、何よりも”アトムの初恋物語”にして同時に”悲恋物語”であるからだろう。

 アクシデントで顔がひしゃげるアトムなどフリークス好きの手塚の趣味が出た描写も人気の秘密か。。。?

 

 

●火星探検の巻(1958~1959年)

 

 あらすじ

 アトムは火星探検隊の隊長に任命される。

 使命に意欲を燃やすアトムだが、乗組員の中にはロボットが上官であることを快く思わないケチャップ大尉や第一回探検隊で遭難した兄を捜すために密航した少女キャーベットなどがおり、アトムは任務と人間の感情との間で悩む。

 

 全集第2巻収録で原題「空とぶ魔天楼の巻」と「火星隊長の巻」を一つにまとめたもの。

 ケチャップ大尉のバイプレイヤーぶりが素晴らしい。

 こういうクセのある人物を配置することで単なる冒険劇を大河ドラマに仕立て上げてしまう手塚の才能にただただひれ伏す。。。!

 

 

●コバルトの巻(1959年)

 

 あらすじ

 アトムは突然家出をしてしまう。

 そんな中どうしてもアトムでないと解決できない事件(海底に水爆が眠ってしまう)が起きてしまい、焦ったお茶の水博士はアトムの代わりとしてロボット、コバルトを作る。

 

 全集第2巻収録。

 アトムの弟コバルト初登場。

 しかし、拍子抜けするくらい目立たない。。。^-^;

 逆にどうしてコバルトを出したのかと手塚に問い詰めたくなってしまう。。。

 

 

●ZZZ総統の巻(1959年)

 あらすじ

 世界連邦のリヨン大統領が息子のロベールを連れて来日した。

 時を同じくしてフランスの大統領が陰謀団ZZZ(スリーゼット)に襲われ発狂してしまう。

 次はリヨン大統領の番だと恐れるロベールがZZZに誘拐されんとしたところをアトムに助けられる。

 アトムは果敢にZZZに立ち向かうが…

 

 全集第2巻収録。

 悪名高き実写版でも使われたエピソードで長い「アトム」の連載中でも知名度の高いエピソードだろう。

 活劇としての「アトム」の魅力が味わえ、一種のミステリー物として読むこともできる傑作だ。

 

 

 

 今回はここまで。。。!

 

 次は昭和30年代前半の「アトム」を取り上げたい。。。!!

 

 

 

 ではまた次回^^

 

 

 

 毎度。。。!

 

 さぁて、今回から本格的な「鉄腕アトム」論だ。。。!

 

 まずは「アトム」本編とは全く別な内容であるが、プロトタイプの役割を(世間的には)担った「アトム大使」から。

 

 

 早速いってみようか。。。!!

 

 

●アトム大使(1951年~1952年)

 

 あらすじ

 

 今私たちが住んでいる地球とは別の地球が宇宙には存在していた。

 そして、別の地球にも私たちと同じような人間がいて文明生活を営んでいた。

 ところが別の地球は大爆発を起こしてしまい、星を失ったもう一つの地球人たちは新たな母星を探すべくロケットで宇宙を放浪する。

 長い流浪の末に見つけた星は私たちが住んでいる地球だった。

 顔形もほとんど同じの人間が二人存在する奇妙な状況。

 最初は友好的な関係を築いていたが、飢餓を心配する移民反対論者たちは別の地球人を排斥せんと強硬手段に打って出てしまう…

 

 

 登場人物

 

 過去記事:http://myhome.cururu.jp/drivemycar1965/blog/article/41002912018参照。

 ただし、アトムの家族(ロボット)、中村警部、田鷲警部は登場しない。

 また、天馬博士とアトムを除く全員に”もう一人の自分”すなわち別の地球人が存在する。

 

 

 「アトム大使」は1951年から1952年まで月刊誌である少年に連載された。

 

 「鉄腕アトム」とは別の作品であるが、登場人物が被っていることとインターバルを置かずに「アトム」が連載開始されたことで現在は「アトム」の序章的な位置付けとなっている。

 

 それ故講談社手塚治虫全集の「アトム」第1巻に収められている。

 

 さて、この作品だが個人的にはなかなかの曲者だと思っている。

 

 何せアトムが主役じゃないのだから。。。!

 

 何故「アトム大使」なのかはネタばれしてしまうのでここでは書かないが、物語の主役は「別の地球人」であり、別の地球人と地球人(書いててややこしいぞ。。。!)の争いを描こうとしたSF大河ドラマである。

 

 余談だが異なる地球人の争いを描いたドラマといえば鬼才富野由悠季が作ったアニメ「伝説巨神イデオン」(1980年)が有名であるが、もしかしたら虫プロ出身の富野は「アトム大使」にインスピレーションを受けて「イデオン」を作ったのかもしれない。

 

 アトムが主役じゃないのにタイトルの冠をいただいていることに端を発した”わかりにくさ”がこの作品の評価を難しいものにしていると思う。

 

 何のことはない、この物語においてアトムは”邪魔”なのだ。

 (アトムが天馬博士の息子飛雄の身代わりという設定が既にあったにも拘わらずだ)

 

 ストレートな異なる地球人の争いドラマにすればもっと話が弾んだと思うし、もしかしら別の意味で手塚の代表作になったかもしれない。

 

 あるいは「イデオン」のように地球に住む主導権争いの中で高性能ロボットアトムを巡る攻防戦というカテゴリーがあればアトムが話の核になり、わかりやすい話になったことは確実。

 

 しかし、幸か不幸か「アトム大使」は人気が出なかったという。

 (その理由は書いておいた)

 

 ここで手塚は少年の編集部に軌道修正を命じられたらしい。

 

 すなわち「アトムを主役にした物語に変えてくれ」と。

 

 苦渋の選択だったことは想像に難くないが、手塚はこれに応じ1952年から「鉄腕アトム」を連載する。

 

 これが当たった。

 

 「アトム」は実に18年間連載され横山光輝の「鉄人28号」と並んで少年の看板作品となった。

 

 しかも特撮化、アニメ化までされ手塚の代表作的扱いを受けるようになる。

 

 多くの方がこの点について書いているが、手塚にとってアトムは鬼子だったのだと思う。

 

 自分の予期せぬ所で代表作となってしまったのだから。。。

 

 従って世間的には成功作とはいえない「アトム大使」にこそ手塚本来の意図するものが出ていたと推察することもできる。

 

 それならば「アトム」に収録されたことにも納得がいく。

 

 手塚は比較してほしかったのだ。

 

 「アトム大使」の方が「アトム」より自己評価していることを交えて。

 

 今の視点で読むからこそであるが、実に奇妙な漫画だと思う。

 

 けれども、ここには紛れもない手塚治虫の作家性が詰まっている。

 

 是非ご一読して、その魅力に触れていただきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 次は昭和20年代の「鉄腕アトム」を語ろうか。。。

 

 

 ではまた次回^^

 

 

 

 

 

 

icon 今週のお題

あなたが初めて読んだマンガは何ですか。


 

突然十二択クイズ。。。!!(壊)

 

 

次の中から選んでみたらいいんじゃね。。。?

 

答えはレスにてよろんすく。。。!

 

 

?ドカベン 16巻

 

?がきデカ 16巻

 

?ドーベルマン刑事 16巻

 

?ドラえもん 16巻

 

?まことちゃん 16巻

 

?がんばれ元気 16巻

 

?釣りキチ三平 16巻

 

?天才バカボン 16巻

 

?こちら葛飾区亀有公園前派出所 16巻

 

?ブラック・ジャック 16巻

 

?ゴルゴ13 16巻

 

?東大一直線 16巻

 

 

 

さぁ、奮って答えておくんなまし。。。!

 

 

 

 

ではまた次回^^

 

 

 

 

 

 

 

そして”隠し問題”を一つ

 

 

この中で「16巻が存在しない漫画はどれ?」

 

 

 毎度。。。!

 

 先月の予告通り今回からしばらくの間「手塚作品論」は「鉄腕アトム」を取り上げていきたい。

 

 第一回目は作品全体のデータベースをお送りしよう。

 

 

 では、いってみよう。。。!!

 

 

●鉄腕アトム

 

 登場人物

 

 アトム:科学省長官だった天馬(てんま)博士に作られたロボット。

      交通事故死した息子飛雄(とびお)の代わりであった

      紆余曲折を経て後の科学省長官お茶の水博士を後見人とし、人間の子供と同じように学校へ通う。

      正義感が強く真面目な性格であるが、人間とのギャップに苦悩することも多い。

      七つの力を持っており、社会貢献や悪との戦いに使用する。

   

      七つの力(原作版)

       ?善悪を見分ける電子頭脳。?60ヵ国語を話せる人口声帯。?サーチライトの目。

         ?10万馬力(後に100万馬力)の原子力モーター。?足のジェット(宇宙ではロケット)エンジン。

       ?鼻のアンテナ。?お尻のマシンガン

 

 ウラン:アトムの妹で科学省(お茶の水博士)によって作られた。

      10万馬力を持つ。

      性格はおてんばでアトムを困らせることもしばしば。

 コバルト:アトムの弟でお茶の水博士によって作られる。

       アトムとほぼ同等の力を持つが、アトムが持つ精巧な部分がないので細かい作業ができない。

 アトムのパパ:地方ロボット工場製。

           のんびりとした性格。

 アトムのママ:地方ロボット工場製。

          飛雄の実母がモデルである。

 

 お茶の水博士:現在の科学省長官。

           アトムの後見人で、ロボット擁護者。

           アトムの活躍を支える一方でロボットにも人間と同等の権利を与えるべきと主張した。

 天馬博士:アトムの生みの親で前科学省長官。

        アトムに事故死した息子飛雄の影を重ねるが、次第に嫌悪感を覚え彼をサーカスに売ってしまう。

        その後改心して、アトムを陰から見守るようになる。

 伴俊作(ばん しゅんさく):通称ヒゲオヤジ。

                 元私立探偵で現在はアトムの担任。

 敷島健一(しきしま けんいち):アトムのクラスメートで真面目な優等生タイプ。

 大目玉男(おおめ たまお):アトムのクラスメート。通称タマちゃん。お調子者。

 四部垣(しぶがき):アトムのクラスメート。ガキ大将的存在。

 中村(なかむら)警部:警視庁捜査一課警部。 

               優しい性格でアトムに好意的。

 田鷲(たわし)警部:警視庁捜査一課課長。

             ロボットを快く思っておらず、アトムに対しても不信感を平気で口にする。

 

 

 掲載誌(アトムがメインの短編含む)

 

 少年(1951年):「アトム大使」のタイトルで連載開始。ただし、世界観は異なっている。

 少年(1952年~1968年):「鉄腕アトム」のタイトルで連載。ここでの連載がメインである。

 サンデー毎日(1965年):短編「ひょうたんなまず危機一発」掲載。

 サンケイ新聞(1967年~1969年):「鉄腕アトム」(後に「アトム今昔物語」と改題)で連載。

 ビッグコミック(1969年):短編「アトムの恋人」掲載。

 別冊少年マガジン(1970年):短編「アトムの最後」掲載。

 小学四年生(1972年): 「鉄腕アトム」(後に「アトム還る」と改題)で連載。

 小学一年生(1972年~1973年):小学四年生版と同じ設定で現在まで未単行本化。

 文藝春秋デラックス(1975年):短編「アトム二世」掲載。

 週刊朝日(1976年):短編「偏差値王国との対決」掲載。

 月刊少年ジャンプ(1976年):短編「シルバータワー」掲載。

 小学二年生(1980年~1981年):「鉄腕アトム」のタイトルで連載。

 月刊ニコニココミック(1986年~1987年):パラレルワールドと呼ぶべき「アトムキャット」連載。

 

 

  

 今回はここまで。。。!

 

 次は「アトム大使」から時代毎に語っていきたい。

 

 

 ではまた次回^^

 

 

 

 毎度。。。!

 

 今回はカルト漫画の最高峰に位置するであろう大怪作「地上最強の男 竜」を取り上げることにした。

 

 お付き合いあれ。。。!

 

 

 ではではいってみよう。。。!!

 

 

●地上最強の男 竜(1977年)

 

 

 あらすじ

 人並み外れた肉体と能力を持ったカラテの達人、竜。

 彼はその存在そのものが人に災いをもたらす者と師匠に言われ、長い間幽閉されてきた。

 しかし、ある出来事をきっかけにして竜は外へ飛び出し、その結果世界中の人間から追われる羽目となる。

 竜は問う。

 「自分は何者なのか?」

 「自分の存在意義は?」

 

 

 登場人物

 雷音竜(らいおん りゅう):自称(誰が見てもそうだが)”地上最強の男”。

                 空手の達人でその技は一撃で人体を破壊してしまうほど。

                 災いをもたらす存在と位置付けられ、鉄仮面を被らされている。

 雷音悦子(らいおん えつこ):竜の妹。

                   予知能力を持っており、竜を助けんと父が遺したマシーンで守ろうとするが…

 二階堂邦子(にかいどう くにこ):もともとは歌手だった。(ヒット曲”パタパタパパ”)

                     しかし、婚約者の空手家、加山(かやま)を大会で竜に殺されてしまう。

                     その後修業を積み空手家となり、竜に復讐戦を挑む。

 道教(どうきょう):羅城門(らじょうもん)空手の総帥で、竜の師匠。

            神のお告げを聞き、竜に鉄仮面を被せ破門する。

            後に二階堂に空手を仕込み、二人で竜を殺しにやって来る。

 イエス・キリスト:封印され、全国の仏像に散らばっていた肉体が結集し蘇った。

           道教に竜を殺すように命令する事件の黒幕的存在。

 宮本武蔵:江戸時代の剣豪。

        竜殺しの刺客としてイエスによって蘇る。

 ブルース・リー:1970年代のアクションスター。

           武蔵と同じく竜殺しの刺客でイエスによって蘇る。

 橘(たちばな):恐山の女霊媒。 

          竜にイエスと道教を倒すように伝える。

 弥勒菩薩:橘の指導霊で、橘を通してイエス&道教討伐を竜に指示する。

 

 

 「地上最強の男 竜」は1977年に週刊少年マガジンに連載された。

 

 作者は風忍(かぜ しのぶ)。

 

 永井豪に憧れ、彼のダイナミックプロにアシスタントとして所属、その後漫画家としてデビュー。

 

 現在もダイナミックプロ所属である。

 

 素人が見ても驚愕するほどの画力を駆使し、精神世界に傾倒した作品をマイペースで描き続けているカルト漫画家と呼ぶに相応しい人物である。

 

 そんな彼の代表作である「竜」は過去サンコミックス(朝日ソノラマ)版、角川書店版、双葉社アクションコミックス版と三度単行本化されたが、残念ながら現在はどれも絶版でプレミア対象となっている作品である。

 

 プレミア対象になるにはそれ相応の理由があるが、「竜」に関して言えばこれが”カルト漫画の最高峰”に位置しているということが最大の理由だと思う。

 

 この漫画はブッ飛んでいる。

 

 そのブッ飛び方がハンパじゃないから一部(俺含む)の漫画愛好者から絶大な支持を得ているのだ。

 

 このブッ飛んだ絵をご覧いただきたい。(俺は基本的に漫画論の時に図版を用いないが、今回だけはそのポリシーを破る)

 

 角川書店版「竜」の表紙は過去記事参照。

 http://myhome.cururu.jp/drivemycar1965/blog/article/41002907170

 

 

      

 



 
 この絵の凄まじさを文章で説明するのは不可能。。。!
 
 完全に「北斗の拳」を先取りした過剰なまでの筋肉描写、異様なコマ割り、大胆なパース。
 
 何よりも圧倒的な説得力を持つ風忍の精緻な描力による絵。。。!
 
 絵を観るだけでも「竜」の価値はある。
 
 しかし、それだけで終わらないのが「竜」だ。。。!
 
 物語は当初強烈なまでの”暴力”をとことんまで描き出している。
 
 長くなってしまうが冒頭の竜のモノローグを引用したい。
 
 
 「俺は雷音竜、地上最強の男だ!フフフ…あれはアメリカから来たFBIか…むこうはイギリス、ドイツ、フランス、中国、ソ連…ずいぶん来たな、俺を殺しに。俺は地上最強だ。どんなやつが来ても0.2秒であの世へおくることができるんだ。武器はもたない、カラテだ!」
 
 
 0.2秒で人を殺せる空手家という誰も思いつかない設定を駆使し、暴力を描き極めた後に物語はイエスの登場で一気に精神世界の話へと高速移行していく。
 
 まるで曼荼羅のような構図がドンドン繰り出され物語は信じられない、本当に信じられない結末へと向かう。
 
 才能のない人間がこんな話を描いたら大笑いだ。
 
 実際この「竜」も随所にブッ飛び過ぎて笑うしかない展開が散りばめられている。
 
 だが、当の作者風忍はどこまでも大真面目に「竜」を描いているのだ。
 
 そこが凄い。
 
 読者は風忍の掌の上で笑わされ、震え上がらされ、最終的には嵐のような感動を味わうことになる。
 
 真の意味で大怪作である「地上最強の男 竜」。
 
 もっと多くの方々にこのブッ飛んだ世界に触れていただきたいと切に願う。
 
 
 
 ではまた次回^^
 
 
 
 
 
 
 
 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。